「ごじゅうしほ」ショック・#2
今回の「日本縦断セミナー」で伝授したのが、「武士・松村」こと松村宗昆が直接、自らの手で中国から移入したという口碑も存在する「ごじゅうしほ」の形です。
もしわたくしの推察が正しければ、中国清朝軍の漢人部隊、すなわち「緑営」の兵士が、福建の琉球館の護衛に能っており、彼らは把門(アーナン、アーラン)、または把門官(アーナンコー、アーナンクー)などと呼称されれいました。
その把門官たちの軍事教練の徒手格闘術訓練の、15の形の一つが「ごじゅうしほ」の形です。それらの形は3つを除き、すべて九の倍数であり、9X6=54で、6番目、そして3つの
例外があるので、9番目の形になるはずです。15の形一覧表
その「ごじゅうしほ」の形を完全解明した後で、日本の弟子たちに一応、伝授しました。
この「一応」とは、「ともかく、形の概容だけは覚えておいてくれ!」っということです。
この「ごじゅうしほ」は、割合長い形で(まあ、慣れてくるとそうは感じないのですが・・・)、最初はすぐに憶えることは、「不可能である!」っと感じさせる形です。
そして多種多様なこの形を動画で観ても、余り参考にはなりません。
っということで・・・。「まず、形を覚えてくれ!」っということです。
それと、「武術としての沖縄空手の形」に必項な、「コンテキスト」の存在を利用して、自分と相手(敵ねっ!)との相対関係を完全に把握してくれ! すると形の構造を理解しながら・・・。形の機能も理解できるから。っという訳です。
この蔡には、「武術的身体操作」を完全に無視してもOKです。っと言っています。まず、「覚える!」。すなわち、「形のブループリント(設計図)」を理解することが肝心要だからです。
そのために指導するわたくし自身が、武術的身体操作とは真逆な、身体を大きく使って、特定の業・技を強調するということになります。その方が、学ぶ側が見取りし易いからです。
それと同時に動作の注意事項や、動作の説明を大声で言いながら(叫びながら・・・)、形を演じますので、セミナーが終わった直後はグッタリとなり、声も枯れてしまいます。
東京・大阪・沖縄のセミナー、すべてが例年通りに「押せ・押せ!」っとなってしまい、この「ごじゅうしほ」の伝授に使える時間が限られてしまっていましたが・・・。余り、心配はしていませんでした。
なぜなら、もう大部分のセミナー参加者は、形の中に存在する「コンテクスト」に沿って、業・技の流れを理解出来るからです。
その為に「覚える!」だけなら、どうにか、こうにか、行けるはずだ。との想いがありました。
幸いなことに、わたくしの予感は当たり、どうにか、こうにか大部分のセミナー参加者は「ごじゅうしほ」の形の概容を理解し、かつ動作としても覚えてくれたはずだと思っています。
セミナーの終わり辺りには、東京セミナーに出席なさっていた沖縄同好会の代表氏などは、ペット・ボトルを相手の頭に見立てて・・・、すなわち頭部ボールとして使用して、今回セミナー参加が初めての方に、指導出来るほどになっていました。
セミナーに参加された方々は、いまはまだ、この形の復習で大変だと思いますが・・・。
習得に時間を取れば取るほどに、この形の素晴らしさが理解できてくるはずです。
「ごじゅうしほ」とは、それほどまでに素晴らしい形です。
国際沖縄空手道・無想会は、琉球王国時代に「武術として伝承された沖縄空手の再興」を謳っています。
その趣旨に沿って七つの形を制定形としていますが、「一応」五つまでは伝授しました。残ったあと二つの形を、兎にも角にも、弟子たちに伝授しなければ! っと思っています。
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