「プラシーボ効果」と「アジア的停滞」

 私プラシーボ効果っというものに、非常に興味を持つ人間です。

 これは、オイオイ、このブログでも記して行くと思いますが・・・。


 実は、私は若い頃に井筒俊彦という、人間の著書に触れました。

 この人、人文科学系統においては、日本では類まれなる天才だと思っています。


 この井筒氏は、三十か国語を駆使出来たと言い、イスラムの世界的権威者です。

 イランに行って、教授をしていますし、著書も英語での出版が多いはずです。


 私・・・。

 若いころに、確かエール大学の出版部で発行されている、氏の著書を購入しようとしましたが、高価で手が出なかったことを覚えています。

 まぁ~当時の私の英語力では、当然理解不可能であったはずで、購入出来たとしても、文字通り「猫に小判」状態だったはずです。

 哀しいことに、今も同じ状態なのですが・・・。


 なお、近年、確か氏に関する映画も、制作・上映されたはずです(イランでね!)。


 余談ですが、 他の日本の人文科学においての天才は、小室直樹氏が存在するでしょう。

 小室氏は、私のこれまた尊敬するエマニュエル・トッド氏と同じく、全盛期のソ連時において、「ソ連は、崩壊する!」

 っという驚くべき、かつ的確な予言・予想をした人間です。


 トッド氏は、人口比率において・・・。かつ小室氏も数学を使ってでの予想・予測であり、互いに数学を専門とする人間が、奇しくも全盛期のソ連時において、彼の国の崩壊を予言・予測しています。

 天才こそが、為せる技でしょう。


 ただ、私は、トッド氏の、現在アメリカの分析、特にトランプ前大統領の存在と、アメリカ国内の分析に関しては懐疑的であり、結果的(大統領選挙の結果ね)には、私方が正しかったと思っています。


 小室氏がもし日本では無く、英語圏内において生まれ、業績を発表できていたならば、世界的な学者としての地位を確立していたはずです(←っと、私・新垣清の想いです)。


 っと、ここまで布石を打った上で、本ブログと私、かつ弊会の次なる挑むべき山脈の、概要を説明することに入っていきます。

 それは、プラシーボ効果の事です!


 このプラシーボ効果とは、漢字表記では、「偽薬効果」とも記されるものです。

 読んで字の如く、偽薬、すなわち偽の薬を、「この薬は、効きます!」

 っとして、痛み、不眠、そして下痢などに悩む患者に投薬します。


 すると、実験では偽薬を飲ませた人の30%(正確には、ある実験では32%っと出ています)に、鎮痛効果などがあったとの報告があります。

 実際に効くんです!

 ある、一定数の人間に対してはです。

 それは、偽薬を投薬した三分の一の数の人間にです。

この三分の一という比率は、非常に重要で、かつ微妙です。

 だって・・・。

 他の三分のニという割合の人間には、効かない!

 ということですから・・・。


 以前から度々記しているように、このプラシーボ効果の現れる、三分の一の人間は、権威に弱い、すなわち判断力の弱い、いわゆる頭の弱い人間(頭の悪いでは無い!)なのか?

 または、同調圧力に負けてしまう、心の弱い人間なのか?

 っということは、論議が分かれるところでしょう。


 ただ、これは権威を持った者、物の言葉や態度、あるいは存在が、自らの脳に作用して、生理反応として表れているのだ。

 っということは、疑いの無い事実でしょう。


 そして、人口から考えてみて三分の一という数は、政治的に社会を変えることが出来るというまでの、非常に大きな数であり・・・。


 それらの数の人間が、非常に非科学的(この言葉も、非常に微妙ですが・・・)な判断で、社会の仕組みや現象を評価し、その結果において活動している! っということもあり得るのです。


 卑近な例で言えば・・・。

 東洋の心身文化である武術の中で、徒手格闘術である、中国拳法や空手で、その多くの業・技の伝承が、誤解・曲解で満ち満ちているということも、これに由来するのかもしれません。


 すなわち、ヘーゲルの言う、「アジア的停滞」の原因の一つが、上記のプラシーボ効果によっての、社会構築であったのではないか?

 っという、一つの疑問が私にはあるのです。

国際沖縄空手道 無想会 International Okinawa Karate-do Muso-kai