ダレの、ドコを、ドウ見れば良いのか?
今回の直伝オンライン稽古会は、二時間の予定が三時間にもなりましたが・・・。
私個人としては、武術として伝承された沖縄空手の形を完全に解明して、かつ無想会の制定の形をカタチ作れるというものでした。
さらに受講者=直弟子諸氏からも、核心に迫る質問があり、答える方の私も非常に醍醐味を感じつつ、かつ質問者にもご満足のいく答えを返せたと思っています。
もう日本での普及活動を始めてから、10年前後になりますので・・・。
直弟子諸氏は、東洋の心身思想・操作とは何か? っという事がらに関しては、完全に理解しているはずですし・・・。
かつ武術として伝承された沖縄空手を理解するためには、動画や写真などで、ダレの、ドコを、ドウ、見て行けば理解できるのか?
は、徐々にお分かりになっているはずです。
いわゆる森羅万象の中で、物事の本質を見極める、「観の目」を持てるような塩梅に、なりつつあるということです。
稽古会の後でも、メッセンジャーなどで質問がありましたが・・・。
ここで質問者の了解をとった上で、少し問答を記していきます。なお以下の文章は分かりやすく、かつご迷惑が掛からないような配慮をしましたので、ご了承ください。
本ブログの文責は、筆者・新垣清です。
質問者:
師範、講習会お疲れ様でした。 セミナーで質問した件なのですが、右手手刀から始まるクーシャンクーが見つけられません。ざっとネットで検索してみた限り、左手手刀から始まるものばかりでした。仰っていたのは、どの流派・個人の型でしょうか?
新垣清の返答送信
エーっと、島袋龍夫師の一心流。それも、島袋師個人だけの初動を良ーく見てください。
動きが非常に小さく見えずらいので、数種の動画で確認してください。
終わったのは、左の手刀のように見えますが(ここが大切)、始めは右腕の動きなのです。
新垣清の返答送信:
次に、祖堅方範師をご覧ください。師はもう、動き自体はやっていない(ってか、彼は動き自体は、もうどの動きもハッキリしない【文責・新垣】・・・)のですが、あのまま左方向に行くには、右手での喉輪以外には無理です。
質問者:
言われてみれば、島袋師の初動は両手がさっと小さく(回すように?)動くのが印象的ですね。祖堅師の方は、右しかあり得ないのはわかります。ともかく、動画をもう一度よく見てみます。ありがとうございます。
新垣清の返答送信:
ズーッと昔の、それも流会派の祖のみの動画を、ホントウに一部の隙もないほどにご覧ください。すると、われわれは終わった動作に全て惑わされているのが、如実に理解できるようになります。私自体がそうであったし、それらの祖の人々も、もうご自分がナニをしているのかを、理解出来ていなかったのです。哀しいけど・・・。
でも、それは日本の剣術も、中国の拳法も皆同じです(ここは、筆者・新垣清の文責で明記です)。
「伝承の際の検証」のシステムを、構築できなかった!
それは、アジア的停滞の理由の一つだと思っています。以上
注・現在の空手の練習する方々の、形の理解をする際における大きな欠点の一つに、動作が終わった後の見栄の動作が、業・技だと思ってしまっていることが挙げられます。
あれなどは、いわゆるフォーロ―スルーの動作であって、言ってみれば野球のピッチャーの手から、ボールが離れた後の動作に過ぎないのです。
さらに、その動作を静止させた状態を保つ! っということが業・技であると誤解・曲解してしまっているために、形をやればやるほどに弱くなっていくというジレンマに悩むこととなります。
本来の、武術としての形とは、修行する形の中が「重力場」であり、その重力を如何に効率よく、自分の動きを為していくのか? さらに自分と団子になった相手の身体を、如何に重力によって効率よくコントロールするかなのです。
だかこそ、歳を取っても、いや歳を取れば取るほど、形をやらなければならないのでしょう!?
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