泊手よ! 嗚呼っ~、泊手よ!
わたくしは、再修業の時に「沖縄空手の全てを、解き明かしてみたい!」っという身の程知らずの想いを一度ならず、描きました。
心身思想・操作、形の内容の意味、形の伝承の歴史、形の名称の意味、伝承系列の流れ、形の発祥地などなど、すべてです。
まあ、このような夢を描くということは、妄想の類であり、わたくしのような武才に乏しく、かつ知恵にも乏しい人間が良く思い描くことで・・・。「井戸の中の蛙、大海を知らず」の、著明な例としても良いでしょう。
しかしまあ、武の神様というものは、気紛れを時々起こすのでしょうか・・・?!
わたくしのような人間にも、少しは僥倖があり、どうにかこうにか、武術として伝承された沖縄空手の全貌が薄ぼんやりながら、見えかけてはいます。
首里手、那覇手の全貌はどうにか、こうにか探り当て、その形の意味するところも解明できました。
「唐手・佐久川」が移入した15の形が元になっているので、「形の構造、機能、様式、応用」さえ解明できれば、どうにかなります(15の形一覧表を参照)。
問題は、泊手です。
冊封使の護衛で来琉したであろう王武官の伝えた、三つの形、「王武官(ワンカン)」、「王師父(ワンシュー)」、そして失伝したと思われていた「王套路(ワンドウ・ワンダウン)」。
沖縄に漂着したと思われる、陳師父の伝えた三つの形「陳套路(チントウ)」、「陳師父(チンシュ―)」、そして「羅漢(ローハイ)」。
までは・・・、解けました。
泊手とは言っても、その元となっているのは中国拳法(特に陳師父の三つの形は、そうです)であり、それを解体・再構築したのは日本剣術の思想と、沖縄の心身思想なのですから、首里手と同様であるはずだからです。
では・・・、同じく残りの「泊手の七つの形」はどうなるか?
じつは、この「泊手の七つの形」の全ても、ホントウは解明した心算なのです。
でも・・・。
余りにも、辻褄(ツジツマ)が合いすぎて、怖いのです。
特に七つの内の、四つが大変なのです。
ジグソーパズルの最後の一片が、「ピッタリコン!」っと、完全に合ってしまって、
「これは、お前(わたくし、新垣清のことです)の都合に合わせて、この一片を合わせるために、パズルを作ったに過ぎないだろう!?」
っと、言われてしまうに違いありません。
コールでご意見をお聞きしたサンフランシスコのK先生も、「アラカキ・センセイ、ピッタリ合いすぎて、ナンか・・・、怖いです!」っとの、感想を述べておられました。
「誰も、こんなことを信じるはずが無い!」っと、まで言えるほどの、「ピッタンコ!」の恐怖。わたくしだって、最初は信じられなかった!
いまでも、わたくし自身が、「誰も信じないだろうなぁ~」と、思っていますし・・・。
K先生ご自身が、「誰も信じることが出来ないと、思います」っと、おっしゃっていました(涙)。
これは、「今まで俺たち空手家は、一体ナニをしていたんだ?」。
われわれ空手家全員(勿論、わたくしも含めてです)が、「ナンにも分かってなかったんだ!」っということが、明白になることの恐怖でもあります。
その恐怖に、自分自身が少し「たぢろい」でしまっています。
ウワーッ! ウワーッ! ウワーッ! どうしよう???
っというのが、正直なところです。
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