15の形の「対」とは何か?
前回のブログで「十三歩(セイサン=正確にはセイサンボでしょう)の形」には、「対」なる形が無いと記しました。
では、この「対」とは何か?
じつは唐手・佐久川の移入した清朝漢人部隊である緑営の、福建省の琉球館を護衛する把門(アーナン)、または把門官(アーナンコー・アーナンク―)たちの軍事教練の15の形の漢字表記には、それぞれ「歩」、「法」、そして「戦」の三つの漢字が語尾に付きます。
もうこのブログを読まれている読者には、15の形のうち12個は、9の倍数である。
それは9X1=9(すなわち九法【サイファ】)から始まり、9X12=108(すなわち壱百零八歩【スーパーリンペーボ】)まで続く・・・。っということは、お判りになっていると思います。
そしてこの12の形のうち、10までは全て「対」となる数があります。すなわち、5つの相対形があるのです。
この場合の「対」とは、足して108となる数です。
例えば9X2=18、すなわち18に足して108っとなる形が存在するのです。
この場合には、18+X=108のXが「対」の数です。そして、「X」とは、90です。
これを形の名称に当てはめると、セイパイ(18)+ソーチン(90)=108っとなります。
ですから「セイパイ(十八戦)の形」の対になる形は、「ソーチン(九十戦)の形」です。
そして、このように「対」になる形の漢字表記の最後の漢字はすべて、同じ漢字となります。その漢字とは「法」、そして「戦」の二つの漢字表記です。上記のセイパイと、ソーチンの形の場合では、「戦」の字がそれです。
なお、セーパイは、「戦」では無く「手」の漢字表記ではないか? との疑問でるでしょうが、この答えは煩雑なので、本になった時に説明します。
では、なぜ108となることが、必要なのか? これはもう、このブログで記すと煩雑になりすぎて、前に進めませんので・・・、ご自分で調べてください。
さて上記のように、形の数字は、9の倍数になると記しましたが・・・。
じつは本ブログの、「十三歩(セイサンボ)」、そして「二十四歩(ニセイシボ)」の二つは例外です(他にサンチンもありますが・・・、これは別の機会に説明します)。
すでに以前のブログでも述べたように、「十三歩」の13という数は、人類の最初の文明であるとされるメソポタミアのシュメール文明時代から、すでに神秘の数とされていました。
その文明の流れが西に向かって、中東・西欧に行って「邪悪なる数」の13となります。
その流れが東に向かい、中国文明においては、善悪を問わない「非常に力のあるもの」を表す数となります。
そのために13と言う数は、中国文明においては武道・武術には欠かせない数なのです。
次なる数の24とは、季節を表すものです。そして季節、あるいは暦を知る、制作するということは、古来から時の権力者のみが有する力なのです。
この事柄に関しては本ブログで記すと、 またゴチャゴチャしてしまうので、ウキペディアの「二十四節気」を参照にしてください。
そして「壱百零八歩(スーパーリンペーボ)」にも、「対」がありません。
9X12(この数字の12も暦です)=108は打ち止めの数となり、「対」が存在しないのです。すなわち、108+X=108のXはゼロ(0)です。
日本帝国海軍の零式艦上戦闘機の、「ゼロ戦」ならばいざ知らず、空手の形(この場合には、中国緑営の軍事教練)にはゼロ(零)戦、またはゼロ(零)歩は存在しないのです。
「五十四歩(ウセイシボ)」の表す、54の数にも「対」はありません。
本来は9X11=99までの11の数字が、「対」があると数となりなります。
しかし唐手・佐久川の移入した15の数においては、54の数で表す形は「対」の存在しない一つだけとなり、いわゆる折り返し点の役割、またはバインダーの役割の数となっています。
そして15の形において、「対」の存在しない数字の形、すなわち13、24、54、108の形の四つは、全て「歩」の漢字で示されるようになります。順に「十三歩」、「二十四歩」、「五十四歩」、そして「壱百零八歩」です。
なお、このようにわたくしの拙い文章で説明しようとすると、ゴチャゴチャしているように思えますが・・・・。
一覧表にすると「ウワーッ!、凄い、美しい!」っと思えるほどに、論理的、体系的に整理されて、機能美とさえ言える様式を持つのが理解できますので、説明のアカツキにはチャンと一覧表を掲示します。
ただ、本ブログをお読みに為られて、ご自分でも「この15の形の謎を解いてみたい!」っと思っている方に対して述べますが・・・。
主要となる数は、9、12、108です。すなわち、9X12=108が基本となります。そして3、13、24の例外が出てきます。あとは小学校二年生程度の算数が出来れば、解けます(その証拠に、わたくしでも解けました!)
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