新しい風?

 今回の日本縦断セミナーは、お蔭様で大成功でした。その中でも一つ、じつは、これはまだ、自分自身だけの感覚だけなのかもしれませんが・・・。

 新しい世代が、国際沖縄空手道・無想会の活動に、興味を示してくれているのかもしれない!? っという、感想を持つことができました。

 弊会の日本における創世記とは、拙著「沖縄武道空手の極意シリーズ」をリアル・タイムで読まれて、セミナーに参加された方々が創ってきたものです。

 その参加者が、いま現在、茶色帯、黒帯に為られて弊会の活動を担っています。

 それに続くカタチで、中級の色帯の弟子たちも生まれてきました。

 しかし、今回、東京、大阪、沖縄の三か所すべてにおいて、新風というか、二十代の若者が弊会の空手に興味を持ってセミナーに参加されていました。

 その一人である沖縄セミナーに参加された又吉という方が、FACEBOOKに感想を述べており、氏の承諾を得た上で、以下掲載します。

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無想会セミナーに参加させて頂きました。

私は、ストリートダンスを5〜6年やっていて、世界クラスのダンサーを何度も見ています。自分の属する世界が、人の視覚を騙すという身体操作の面では最も秀でているという自負がありました。

しかし、そんな私が驚愕する未知の身体操作を平然と行う人達が居ました。

セミナーから1週間が経ちますが未だ余韻に浸っております。

ミット越しや寸止めで何度か突きを出してもらったのですが、私の知っているものとは大きく異なります。

威力は身体の芯に響き、なぜか上に衝撃が登ってきます、「内臓に悪い」と感じました。

また寸止めの際はさらに奇妙で、左足前の半身で右の逆突きをしてもらったのですが、身体に隠れていた右手がいきなりみぞおちの前に現れます。そして上半身は構えた体勢のままヌッと面前に迫ってきます。

突き手は見えず、体勢が変わらないので技の始まりが見えません。

側から見ると正対して受けるとでは全く感じが異なり、実際に突かれたら何をされたか分からないだろうと感じました。

突きを教わった際は、エネルギーに対する貪欲さや執念を感じました。

わずかな無駄すら許しません、空手特有の拳を捻る動作ですら、エネルギーが横に逸れるとして禁じます。相手にむかって拳を突き刺すように握り込み、結果的に捻るように見えるだけです。

自重や背中や腕の筋肉によるエネルギーはもちろん、手首の回転や指の握り込みのエネルギーすら相手に放とうととします。

鋭さと頑丈さを両立する日本刀の製法や、空気抵抗を減らす零戦の皿リベット(沈頭鋲)と近しいものを感じました。それ程厳しい場面を想定した技なのだろうなと実感しました。

ナイファンチの波返しは最も印象に残っています。人間があの体勢で静止するのを初めて見ました。まるでスローモーションのように見えます、謎の浮遊感。

画像(注・又吉氏のFacebookに画像が載っています)の大道芸を地でやっている感じです。

(ちなみにこの大道芸、タネは杖から袖の中を鉄骨が通ってフック状に椅子がぶら下がっています)

この波返しを新垣先生に直接見て頂いたのはとても嬉しかったです、流派が無い時代の沖縄の空手家はこんな風に教わっていたのかなと妄想していました。

波返しを教わった際、いざやろう!と意気込むと、準備をしてはいけないと叱咤されました。身体にこれをやろうという考えが、心の動きが現れるのはとても面白かったです。(これが俗に言う殺気の正体なのかな?とも思いました)

他にも、形の演武を盗み見ていたのですが、初めて見るにもかかわらず、相手の存在が認識でき、投げなどの技の威力もなぜか感じ取ることができました。

自分でも不思議ですが、チャンナン?クーサンクー?の喉輪から左に相手と入れ替わるように移ると同時に右に投げる技を見た際、この技はかかる!と直感したのを覚えています。

形の演武を見ていて思ったのですが、現行のスポーツ空手の形のようにビシッ、ピタッ!という動きはしません。

しかし、鈍いと感じることはなく、むしろ素早さと迫力を感じました。流れるように技を繰り出すのですが、スルスルという感じではなく、ズズズ、ゴゴゴといった感じです。

変な表現ですが、これ以外に表現の仕方がわかりません。

なぜか目が離せない、釘付けになった不思議な感覚でした。

これらの動きや思想を体感し、無想会の空手はストリートダンス(もしかしたら他のスポーツも)のそれよりも、数段先に進んでいるのでは無いかと思いました。

2日のセミナーを通して終始アットホームな雰囲気で、真剣に稽古している最中でも笑いや冗談が絶えることはありませんでした。

また、能と空手の身体操作の共通点など、人文学的に興味深いお話も聞け大変勉強になりました。

新垣先生をはじめ、沖縄・東広島同好会の方々も大変良くしてくださり、とても楽しい思い出になりました。

懇親会にも呼んで頂きましたが、これもとても楽しかったです。先生は酒が強く、ペースを合わせて飲んだら二日酔いになったのも良い思い出です。

本当にありがとうございました。

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以上です。

まあ、わたくしが大酒飲みであるという、間違った印象を読者の方々に与えてしまうという以外は、非常にありがたい感想の記述だと感謝する以外ありません。

わたくしは、弊会の趣旨を「武術として伝承された沖縄空手」を通し、

 東洋の心身思想を確立し、21世紀なって行き詰まりを見せている、

西洋文明に激突させて、新たなる文明を創造する!

などという、大風呂敷を広げていますが・・・。

上記のような感想を持っていただければ、その一旦が漸く少数の人間には理解して頂ける世の中に為っていく可能性は、幾何かはあるのではないか!? っと淡い期待を持っています。

国際沖縄空手道 無想会 International Okinawa Karate-do Muso-kai

沖縄空手道・無想会は、会長・最高師範を務める新垣清によって1980年に米国・ユタ州で創設された、沖縄空手を修行する者たちの国際的な団体です。