リンゴとオレンジ

 前回のブログで情報・インフォメーションの取り込み方の、「systemization(体系化する)」こと・・・。そして、「categorization(分類化)」すること・・・。

 さらには、「prioritization(物事の優先順位付けをする)」の三つを記しました。

 

 そして「culture」、すなわち「文化・文明」の語源である 「cultivate」では無く、「chiselling」としての「彫る」。または、水源まで「掘る」の「dig」、あるいは、「digging」っという言葉を使って説明しました。

 ここで述べる「耕す」と、「掘る」ことの違いは、その「深度」です。「掘る!」っと言う行為は、「一センチ」でも深く、「一度」でも深く、地面の中へ突き進んで行かなければ、その目的を達成できません。

 そのために、地面を掘り込んでいく時に使う道具の、「尖度」が非常に重要になります。

 武術として伝承された沖縄空手と、その空手の形の修行において説明すると、それが情報・インフォメーション(の重要度)である! っということでしょう。

 ここまで説明した後で、国際沖縄空手道・無想会の世界総本部道場の生徒には、その際に「apple」と「orange」を混同するな! っと指導します。compare apples and orangesっとは、英語で「比較にならないものを(集めて)比較する」ということです。

 なお、弊会の世界総本部道場の黒帯たちにおいては、ここらの理解が、二段の黒帯と三段の分かれ目あたりだと、わたくしは漫然とながら、線引きをしています。

 修行で例えていえば、「ナニナニ風(ふう)」、「ナニナニ様(よう)」なもの・・・を際限なく集めてしまい、自分の修行の糧にしようとする行為です。

 これは個々の情報の重要性としては、まったく同レベルのモノでしかありません。ってか、案外劣ったものが大部分でしょう。

 すなわち、情報が横(水平)に末広がりに広がってしまい、一つも垂直方向へ向かって行かないのです。これでは何時までたっても、肝心な修行へ入っていけません。

 修行としては、まったくの時間の無駄です!

 これが、「耕すな!」。「掘り込んで行け!」っということなのです。

 現代社会には、「オタク」っと呼ばれる種類の人々がいます。その大部分の方々は、情報収集が鬼のようにスゴイです。っが・・・、大多数の方々は、そのレベルで終わってしまいます。

 「リンゴ」も「オレンジ」も、果物として果物屋の店先に出す分にはOKです。他に「バナナ」、「梨」、「スイカ」など・・・。さらには、八百屋さんの店先のように、これに「白菜」や「ネギ」なども並ぶかもしれません。

 しかし、武術としての空手の修行を目的とするならば「リンゴ」を一つ、その種類、種目、科、属などなど・・・。その科学的成分、伝達された経路、歴史、食べ方、料理の仕方の全てを、リンゴの表面から始めて、芯(真?)の部分まで習得するべきなのです。

 

 わたくしが常日頃いう、「骨の髄までシャブリ尽くせ!」っということです。その際には、オレンジと比べることなど時間の無駄でしょうし・・・。比較など、出来ないはずです。

 なお、余談ですが・・・。わたくし本ブログを記するまで、リンゴが「バラ科」の果物だとは、まったく知りませんでした。読者の皆様、ご存知でしたか?

国際沖縄空手道 無想会 International Okinawa Karate-do Muso-kai