ナイファンチ初段は、元の位置に戻らない!

 前回、前々回のブログで武術として伝承された沖縄空手の形は、形の始める場所と終る場所、すなわち終始の場所が同じ である。っと記しました。

 しかし、ナイファンチの初段の形は終わる時に、始めた場所と同じ場所に戻りません!

 なぜか・・・?。

 戻れない!からです。

 再び、なぜか・・・? 

 武術的心身思想に沿った形の整合性を無視して・・・。

 元の、すなわちオリジナルの形(いわゆる全伝)を、初段、二段、三段の三つに、ぶった切ってしまった!

 からです。

 ちなみに、どなたの、どの流会派でもよろしいですから・・・。

ナイファンチ、ナイハンチ、または鉄騎などと呼ばれる形を、一度試してみてください。

決して、元の位置に戻りません。

 この初段の形を「左右同じ動作なのだから、永遠に続けても・・・!」などという横着で、武術的思慮に乏しい考えで、続けて遣ってしまうと・・・。

 五、六回も続けると・・。

 始めた場所からは、明後日の場所で終わってしまう悲劇を味うこととなります。

悲劇を味う!っと、記しましたが・・・。

 これは、別に大げさに記したのでは無く、ここ150年ほどの間の空手修行者で、この事柄を自覚して、修行した人間さえもいないという悲劇的な事実を、如実に突き付けらることとなるのです。