武術空手の日本への逆輸入
国際沖縄空手道無想会の、世界総本部道場の正指導員であるロバート・ストリングハム四段の動画が、YouTube上のMuso-Kai Karate Channelで放映されています。
Naifanchi is not the way you think it was
これが空手史上において、最初の非日本人空手修行者による、武術として伝承された空手の歴史・形の解説です。
わたくしの主宰する、国際沖縄空手道無想会の世界総本部道場は、アメリカのユタ州ソルトレークシティーに在します。
そのために、大部分の生徒はアメリカ人です。
そして、わたくしは自分の拙い空手修行の果てに行きついた、武術として伝承された沖縄空手の技術と歴史を彼らに伝授します。
手塩にかけた、自分の愛弟子なのですから・・・当然のことす。
しかし・・・、その結果として、彼らは空手発祥の地である沖縄、空手を育成した日本本土の空手家諸氏より、武術として伝承された沖縄空手に関しては、秀でてしまうのです。
なぜなら、この150年の我が日本国(含・沖縄)の近代化への邁進によって、われわれ日本人空手家が修行し、伝承していたものは:
・体育・体操
・スポーツ、レクレーション化
・そしてエンターテインメン化した空手
でしか無いからです。
彼らはもう日本の、そしれ沖縄の名人・達人と謳われる空手家たちの動画を、観ようともしません。スポーツ空手などは、論外です。
別に事の是非では無く・・・。彼らの興味が、そして知識が、動画の中にいる人々とは、まったく違ってしまっているからです。
これは、わたくしの指導・教授が、漸く身・実になってきたという証かもしれませんが・・・。
ある意味、非常に恐ろしいことでもあります。
わたくしには、世界総本部道場の弟子たちと同時に、日本国内における弟子たちが存在します。
いま、全力を挙げて、彼らの空手の技量と同時に、その背景にある歴史、伝承過程を伝授しようとしています。
それは最終的には、われわれが近代化の過程で失ってしまった、日本の、そして東洋の心身文化の再認識であり、再興であると思っています。
そして、それを為すのは、われわれ日本人の手によってで、ありたいと願っています。
大上段に構えて言えば、これは文字通り徒手空拳で、異国で空手を修行し、伝授しているわたくし・新垣清の矜持の問題だとも思っています。
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