空手の形を使う!? 無理です

 国際沖縄空手道無想会の、オンラインセミナーの初日は、5月23日の土曜日の午前10時から正午、さらに午後1時から3時までのニ講義。

 二日目は、5月24日の日曜日で、同じ時間帯でした。

 一日目のニ講義については、前回までのブログで述べました。

 二日目の午前10時からの、第3回目の講義の模様です。

ナイファンチの持つ、人類の心身文化史上においても、最も卓越した技術伝承体系を説明した後で・・・。

 空手の形は使えるのか? 

っという沖縄の、日本本土の、そして世界中の空手家が心の奥底に秘めているが、訊くのが憚れる、最も根源的な問題を正面から取り扱いました。

 それは、タブーに触れることです。

 すべての、あるいはほとんどの空手家が、「空手の形は使えない!」っと、思っておられるはずです(文責・筆者)。

 だかこそ、スポーツ、レクレーション、エンターテインメン化した空手の形が登場し・・・。

 現在のような、美のみ・・・。それも西洋的な基準での美のみを争う、競技体系が生まれてきたのでしょう。

 さらに言えば、わたくし・新垣清自身が、このネット・セミナーの初日の第2講義目の、「首里手最古の形-クーシャンクーを徹底解説」で、空手の形は使えない!

っと断言しました。

 使えません! 

 使えるはずが無い!

のです。

 自分を攻撃してくる相手が、自分の真正面にいるのか? 

 はたまた、 横(左側)から、相手が攻撃を掛けてくるのか? 

さえも認知出来ない形を、「使える!」っという人は、世界史上稀に見る天才か? 

 または、その疑問が生じないレベルの修行しか果していない人間。

 あるいは、それらの心身操作とは、誤解・曲解の果てにあるものだと認知出来ない人々です。

 これはクーシャンクーの形だけでは無く、ナイファンチを始めとする全ての空手の形は、「四方八方」にいる敵を縦横無尽に自分が動いて、倒す!

ものだっという、芝居の殺陣、映画のアクション・シーン。

 いわゆる空手の形とは、悪漢を相手にする自分自身が、「仮面ライダーに、なるのだ!」

 っという、少し冷静に考えてみれば、誰でも疑問に思う心身思想(っと言えれるのか?)・操作での動作だとされています。

 ですから、この150年の間・・・。

空手の形を使った人間は、存在しません! 

し、存在、出来ませんでした!

 無理なんです!

 素手の人間が闘うというのは、突き蹴りの打撃系統の業・技のみである! っという考えで形を理解し、修行してしまうと・・・。

 無理なんです!

 相手も打撃系統(のみ)の業・技で、自分を攻撃してきて、それを「受けて!」、自分が攻撃を返すっという考えで形を理解し、修行してしまうと・・・。

 無理なんです!

 自分を襲ってくる相手は、「四方八方」に存在し、その相手が順序正しく自分を襲ってくる! っという考えで形を理解し、修行してしまうと・・・。

 そして、最後に決定的な事柄を記します。これは門外漢ながら、中国武術(本場中国も含めて)、の方々も非常に不愉快な思いを抱かれるかもしれませんが・・・。文責を新垣清と明記した上で以下、記します。

 無理なんです!

打撃系統のみの業・技で、現行のような形を形成・創作すること自体が・・・!